top of page

ブンサーム・プレームタダーさんのご講演と鼎談を開催しました。

昨日今日と、ブンサーム・プレームタダーさんのご講演と鼎談を開催しました。4日は2時間かけてじっくりと各作品の背景、コンセプト、コンセプトを実現していくためのディテールまでご説明いただきました。身近な素材である煉瓦と鉄骨のストラクチャを融合し、新しい軽やかなあり方を実現したカンタナ・フィルム&アニメーションインスティテュートでは、ここでハイテクな映像技術を学ぶ学生たちが一人の人間として豊かな時間を過ごせるように動線構成、樹々の配置、歩道の仕上げ、光や風の入れ方、陰影の作り方、思いがけず得られたサウンドスケープの効果などについて。チャオプラヤ川のほとりに立つアユタヤの小さなワイナリーは取り外しも可能な透明な樹脂素材のカーテンで外周を包み、様々な高さの床と5つの楕円平面を持つ螺旋階段で身体のリズムを触発し、豊かなランドスケープの眺望はもちろん、川をわたってくる風や樹木の陰影などと触れ合うことのできる空間。現在はその横に建設中の直角三角形の花びらのような平面を持つガラスブロックのレストランもご紹介いただきました。圧巻は「エレファント・スタディ・センター」、バンコクから車で7時間も離れた象の村でのプロジェクトでした。タイでは象は神聖な存在ですが、その象たちの保護のためのプロジェクトです。象のスケールでできた高く大きな屋根は、鉄骨の構造体を透かしながら覆う木板の隙間が軽やかで、屋根のあちこちに開けられた四角いトップライトからも光が木漏れ日のように落ちてきます。

ハイテックな産業技術とローカルな伝統的技術・日常的な素材との融合、ランドスケープとの関係がそれぞれのプロジェクトで、繊細な感性を持って巧みに達成されている様子を伺うことができました。プレゼンテーションの最後に、いわゆる経済成長や発展ではなく「For us, making life in present balanced is happiness」という言葉が印象的でした。

5日は、プレームタダーさんのミニレクチャーのほか、手塚貴晴さん、増田信吾さん、藤野高志さん、小林一行さんと樫村芙美さんにもショートレクチャーをしていただき、ディスカッションをするという、とても盛りだくさんな2時間を過ごしました。

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page